金色の小さき鳥のかたちして

「金色の小さき鳥のかたちして」                                          旧職員 武田和男

 

尾西高校といえば「闊歩」です。

転勤が決まった時、尾西高校を経験した先生方から闊歩大会のことを熱く語られました。実際、同窓会会長様はじめOB・OGも参加した伝統行事では「友達と励まし合い、達成する感動」「辛い道のりを、痛みや疲れを我慢しながらひたすら一人で歩き続ける忍耐、自分との対話」「もくもくと努力する精神」など様々に生徒の成長を感じることができました。校訓「真摯」を体現する行事でした。

そんな尾西高校の象徴が、闊歩像だと思っています。ある年の闊歩の翌日、台風によって、北館南側のハナミズキの大きな枝が折れました。そこで一句。

ハナミズキ 折る台風や 闊歩像

放送部の昼の放送で採用してもらいました。

1年生担任に始まり、学年主任として二つの学年を送り出し、教師として様々な経験を積ませてもらい思い出もたくさんあります。中には、赴任した年の、校門の北に続く街路樹の大木が落雷で切り裂かれたなどというものもあります。通学時間帯でなくて幸いでした。他にも、学校祭の応援での3年生のリーダーシップや創意工夫。頼もしい力を発揮する生徒とそれを地道に支える協力者たち。みんな輝いていました。学習関係では、南部公民館での夏の補習、長野県や茶臼山での学習合宿。修学旅行はホテル東館に宿泊し、生徒と共にオリンピックコースを滑りました。

「尾西の秋は、木々の紅葉が美しく、金色に輝く銀杏の葉、家々の庭にたわわに実った柿やミカンの木々が、豊穣の秋を彩る」とは当時の校長先生のお言葉です。

自然味あふれる尾西高校に、私は平成19年度から26年度までの8年間お世話になりました。ありがとう、尾西高校。

尾西高校は私の中で金色の銀杏が降り積もる夕日の丘のような経験でした。

「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の丘に  与謝野晶子」