後輩へのエール 2

尾西高校で特に思い出に残っているのは、部活動、学校祭、闊歩大会です。なぜかというとこの三つの行事には学年の垣根を越えた仲間との協力が確かにあったからです。
私は2年生の時から吹奏楽部として活動していました。1年時に在籍していた陸上部から心機一転、転部したはいいものの楽譜も読めず、楽器も触ったこともない状態でした。ですが、先輩や後輩にいろいろ教えてもらいながら上達することで、コンクールで賞をもらえる程度まで成長できました。周りに助けてもらえることがありがたいことだと改めて実感できました。
学校祭では、3年生の時に団旗の製作を担当しました。絵には自信があったので下書きは難なくこなせたのですが、色塗りは得意ではないので苦労するかと思いましたが、やはり後輩たちが助けてくれました。結果も見事1位となりました。
闊歩大会は3年間歩ききりました。毎年隣にはクラスの仲間のほかに、幼馴染がいたり、たくさんの励ましあえる人がいました。お互いに励ましあうことでつらい時にも力になり、なんとか歩き切ることができました。
3つの場面で少しずつ異なりますが、協力し合うということに学年、年齢は関係ないことを感じさせてくれる良い思い出となっています。
卒業後には、製菓の専門学校に進みましたが、その実習でも協力することの大事さを改めて実感することができました。実習で作った食べきれないお菓子を母校の先生方に差し入れで持っていくことも多く、卒業後に一番足を運んだ同窓生の一人かもしれません。
製菓に携わりたいという希望を持って、卒業後も地元のケーキ屋さんに就職したのですが、人間関係でつまずき辞めてしまいました。しかし、どうしても製菓で頑張りたいという思いは諦められずに、再び洋菓子店でアルバイトから始めることにしました。実は今日久しぶりに母校を訪問したのもその店で厨房の担当に認められたことを報告するためです。

社会に出たあとに、つらいことはたくさんあります。もちろん耐えることは大事ですが自分を壊すほど追い詰めるのは自分のためにならないと私は感じています。一度挫折しても自分の目標を忘れなければ、自分の夢をかなえられる可能性は消えません。私も一度はつまずきましたが、なんとか初めの目標に向かって進み続けています。周りのアドバイスを聞きながら自分を大事にして、一生懸命進むことで認めてもらえることもあると思います。判断するのは自分ですが、声をかけてくれる人、応援してくれる人がいることを忘れないようにしてください。最後の在校生の皆さん、お互いに励ましあいながらいい思い出をたくさん作って尾西高校を卒業できるように応援しています。

38回生 中西紗帆